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おばあさん猫・ムニとヒトミと、ちょっとグーちゃん

今から18年前、東京からイタリアのトリノへ移り住んだ私と愛猫ム二とヒトミ。今では21歳を超えた二匹たちとの暮らしぶりや、老猫介護苦労話、新しくやって来たラブラドールのグーちゃんとの楽しくて切ない記録です。

おすすめ猫本

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↑いつも仲良しだったムニとヒトミの若かりし頃

 

日本では猫がブームだそうですね。

年末年始、日本に里帰りした時も

書店で『猫自身』とか『ニャエラ』なんていう週刊誌を見かけて、

思わず買ってしまったり。

 

特に『ニャエラ』はおさっしの通り『アエラ』が作っているわけで、
クールでジャーナリスティック? な作りはまったくアエラなのに
実は一冊まるごと猫だらけな内容がかわいい。
おすすめ本のページも、当然、猫猫猫。

 

「猫ロスに効く一冊」というコーナーの

『チャーちゃん』(保坂和志作・小沢栄画 福音館書店)は、

「ぼく、チャーちゃん。はっきり言って、いま、死んでます」という

始まりだそうで、なんだか面白そう。絵もきれいだし。

でもKindle版になっていないから、とりあえずほしい物リストへ。

海外に暮らす日本人にとって、紙の本は

高い送料をかけてまで買う価値があるかどうか、

熟考の必要がある。その点、電子書籍は本当に便利で、

日本にいるのと同じように、日本語の文字が

瞬時に手に入って嬉しいのだー。

 

 

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 ↑また仲良し。

 

チーちゃんが買えないので、代わりに、と言っては失礼だけど

同じコーナーに紹介されていた

『長い長いさんぽ』(須藤真澄 KADOKAWAエンターブレイン)の

Kindle版をポチッ。

 

それにしても、「猫ブーム」。

猫が大好きな人間にとって、

嬉しいことには違いないけど、

ブームは盛り上がれば、いつか必ず盛り下がる。

特に、イタリアに暮らしていると痛感するけれど、

日本のブームの回転の速さといったら恐ろしいほど。

一年? 二年? いや、半年先はどうなっているかわからない。

人々の興味はくるくる変わる。

それなのに、ネコノミクスだなんていって、

猫をどんどん“生産”して、売りまくろうという

悪徳生体販売者が影にいることを知ってほしいな。

 

生後8週以前は、犬も同じだけど、

母猫から離すべきでない、というのは

多くの先進国で言われていること。

お母さんや兄弟たちと暮らすことで学ぶ猫界の掟や

マナーが身につかず、社会化もできないからだ。

 

猫のマナーって何? といえば、

やたら引っかくとか噛むとか?

他の個体と仲良くできないとか?

そんな子猫たちが大きくなると、

人間ともうまく暮らせず、結局捨てられる憂き目にあう。

多分これは、犬の方がより、深刻な問題なんだと思うけど。

 

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↑そりゃ、赤ちゃんは無条件に可愛いよね。
わが家へ来て2日目ぐらいのムニ、生後9週目ほど。  

 

とにかく、猫でも犬でも、

小さければ小さいほど売れ行きがいいと、

ペットショップのガラスケースの中に入れた赤ちゃんたちを

「いやーん、かわゆい」と買う前に、

その子はどうやって生まれてきたか、

もし売れ残って大きくなったらどうなるかを、

想像できる人が増えたらいいと思う。

ショーウィンドウに子猫がいつも並んでいるということは、

それを産む母猫がいるということもね。

私も、昔はそんなこと、考えてもみなかった。

 

“猫は日照時間が長くなると発情期が来る季節繁殖動物。大手ペット店チェーン経営者は「蛍光灯をあて続ければ年に3、4回繁殖できる。犬のように運動させる必要もなく、狭いスペースで飼育でき、効率がいい」と打ち明ける”

 

↑これは先日の朝日新聞デジタルの記事にあった一節だ。

http://digital.asahi.com/articles/ASK1D4GW1K1DUTIL00W.html

 

効率がいいって!!(怒)

 

繁殖犬を救うボランティアをしている私の友人は、

救ったワンコの一匹、ヴィヴィちゃんと一緒に暮らしている。

ヴィヴィちゃんは6歳で彼女が救った時、

それまでずっと狭いケージに閉じ込められ

(外に出るのは繁殖の時だけだそう!)

妊娠出産を繰り返しさせられていたせいで、

歯は全部抜けていて、耳が聞こえない、心臓疾患があるなどなど

身体がすでにボロボロだったそうだ。

 

さて、私の座右の猫本は、『時代屋の女房』などで知られる

作家・松村友視さんの『アブサン物語』。

21歳で大往生したアブサンとの暮らしを書いたエッセイだけど、

アブサンが亡くなった時に

「たかが猫が死んだぐらいで」と言われないよう

あまり大げさに嘆かず、仕事も日常生活も
通常通り粛々とこしたと書く。

たかが猫が、と言われたくないのは

格好が悪いとかそういうことではなくて、

愛し、尊敬する人生の相棒であるアブサンの

存在や死を貶めてはいけない、と考えたから。

 

これを読んだ時、いつかムニやヒトミにも
訪れるであろうその日には、
私も毅然と、村松さんのように振舞おうと思ったものだが、

いざ、偶然にもアブサンと同じ21歳で
ムニとヒトミが逝ってしまった時、

私は悲しくて悲しくて、彼女たちの死を貶めないように、

なんて考える余裕はなかったのですが。

 

久々に読み返してみると、

ほんとうに猫愛に溢れた素敵なエッセイであると

再確認。オススメです。

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